日本の伝統酒文化の秘宝:ひれ酒

日本酒を楽しむ

日本の酒文化は、その多様性と深さで世界的に賞賛されています。
その中でも、ひれ酒は日本独自の伝統的な飲み物として知られています。
ヒレ酒とは、温めた日本酒(燗酒)に魚の鰭(ヒレ)を入れて飲む日本酒の楽しみ方の一つです。
漁師が焼いたヒレを熱燗に入れたところ、だしが出ておいしくなることを発見したのがヒレ酒の始まりといわれています。
特によく使われるのはフグのヒレで、その香りと旨味が燗酒と相性抜群です。

フグ以外にも、フカヒレや鯛のヒレなどもヒレ酒として楽しむことができます。
特にフカヒレは、コラーゲンが豊富なことから独特の旨味があります。
初めてヒレ酒を飲む方は、ヒレ酒用のヒレを用意すると良いでしょう

ヒレ酒の作り方はいたってシンプルで、炙ったヒレを温めた日本酒に入れるだけです。
工程を細かく見てみましょう。

  1. ヒレをじっくりと炙る: ヒレは弱火でゆっくりと炙り、黄金色になるまで焼きます。
  2. 熱めの燗をつける: ヒレ酒にする場合、日本酒は75度~80度ほどまで温めます。ヒレの旨味成分が溶け出す温度が70度以上なので、熱めの燗がポイントです。
  3. しっかりと蒸らしてヒレ酒にする: 熱々のお酒に焼き立てのヒレを浸し、蓋をして蒸らします。ヒレの香りと旨味がお酒に溶け出し、琥珀色になります。

熱燗日本酒はさまざまな種類がありますが、ヒレ酒には純米や本醸造酒がおすすめです。
特に、芳醇な香りやキレのある後味が特徴の純米酒は、熱燗にしても旨味がより広がります。